大雪の山に囲まれたこの地で


いつも翔くんが
見守ってくれるような
そんな穏やかな毎日を過ごしている。



勉強も実技も
めっちゃ大変だけど


周りは同じ夢を見る人たちで
刺激になる毎日だった。




家には頻繁に連絡したけど
私は札幌には帰らなかった。


業を煮やした両親が
毎週のようにアパートに
押しかけてくる。



 なんで?


はぁくんに会いたくないから……

はぁくんの優しさに心が揺れて
夢が揺らぐのが怖かった。
正直言うとそれが本音だった。


翔くんを愛してるのに
私の弱い心が
はぁくんを求めることだけは


はぁくんを裏切るようで
絶対にしたくなかった。



幼い日の約束は


もう思い出と変わってしまったけど


私の生きてきた道は
間違ってない。

そう信じて
自分に誇りを持って生きたい。


あの雄々しくそびえたつ
高い山たちに
見下ろされながら


私はここで夢を
現実にするんだ。