「途中まで送るよ。」


はぁくんが私のカバンを持った。



「ありがと」



私は家族に手を振って
歩き出した。


角を曲がるまで
四人は手を振っていた。



「先 こされたな。」



「お先に~だね。」



「俺 間違ってたのかな・・・・
留学しなきゃ
一緒だったのになって
いつも後悔してる。」



「ダメだよ、後悔しちゃ。
はぁくんは外国で仕事がしたいんだもん。
その夢をかなえるための
留学はステップだったんだよ。」



「状況が変わった。
未来がいなくなった。」



「何言ってんの~」



私ははぁくんの背中を叩いた。


「未来はすごいよ。
いつの間にか俺追い越されて
もうついて行けない距離感じる。」



「んなことないって~
私は私だもん。」



右手の薬指の指輪が光る。



「俺さ・・・・」



はぁくんがぼそっと言った。