「すみませんでした。
なんかとても久しぶりに
眠った気がします……。
翔くんが寝かせてくれたんだと
思います。」



「翔がうれしそうで
お参りに来てくれた人も
なんだか幸せな気持ちになったって
俺達もそうだよ。
きっとすぐ未来ちゃんが
好きになるって翔が言ったのは
本当だった。
悲しい思いをさせてしまって…
だけど…親としては
息子が幸せだったって
思えるだけ救われるよ。」


翔くんのおとうさんも
目が真っ赤だった。


「すぐには無理だけど
翔くんに心配かけないように
前を向きます。
絶対に忘れない
素敵な人です……。
お嫁さんになりたかった…
それだけが…悲しいです…」


翔くんのおかあさんが
私を抱きしめた。


「ありがと……
きっと教師になりたての時
しょっちゅう話てくれてたのが
未来ちゃんのことだったのね。
前向きで元気で
一生懸命だって……」



「そうだったんですか…」



私はまたおかあさんと
抱きあって
泣いた。



「ありがとう…
翔くんを産んで
育てて下さって……
翔くんに会えて幸せでした。」



「未来ちゃん…」



翔くん・・・
こんなに大事な人たちを
悲しませて…悪い人だね……