先に行っていた
仲間が偶然様子を見に
降りてきた。



「どうした?」



「翔登が…翔登が…」



「どうしたんだ?」



「ここから滑落した……」




「ここから!?」



仲間はすぐに下山した。



「助けを呼んでくる」



楽しみにしていた登山だった。


頂上を目指して
みんなで登ってきた……


翔登にも待ってる人がいる…



「大丈夫だよな…
おまえなら絶対大丈夫だよな。
今 助けに行くから
待ってろよ~~~!!!
彼女のためにも
耐えろよ!!!」


仲間は翔登が消えた
崖の下に

大声で声をかけた。



「翔登~~~ぉ!!!」




叫び声だけが
こだまする・・・・・。



山が……
山が



翔登を呼んでるって



こういうことだったのか・・・・・。