「やだ・・・」

はぁくんが言った。



私は驚いて

「え・・・?」と言った。


「俺は忘れないよ。
未来と過ごしてきた長い時間も
約束も
抱きあって何万回もキスしたことも
先生とのキスより
もっともっとたくさんしたこと…」



私は思いがけない言葉に
完全に固まった。


「あはは~~」

お腹を抱えて
はぁくんが笑いだした。


「ごめん…ごめん…
未来が幸せそうでついつい
からかいました~」



私は安堵感から手の力が
抜けて
握手を求めた手がしたに
おちてしまった。



その手をはぁくんが
握って
握手をするように
ブンブン振った。



「未来の幸せをいつも
祈っているよ。
俺が守れなかった約束より
ずっとずっと
先生に幸せにしてもらえ!!
だけど一言言えば
おまえ前に
『一緒にいた時間は真実だった?』
って言ったけど
俺にとっては
真実だった、それが全部本当だった。」



「はぁくん…」



「だから俺らの思い出を
未来には忘れないでほしい…
勝手でわがままだけど
心の大事な箱にいれてカギかけて
しまっておいて……
俺もそうするから…」


握った手に力が入った。