樹理がCMに抜擢されたと
母親からメールがきた。


俺はすごくうれしかった。


それは今 自分が未来によって
毎日が満ち足りているからで
もしこれが
あの空港での別れを
ひきずっていれば
こんなに優しい気持ちにはなれなかった。


 未来サンキューな…



俺はそんな気持ちだった。



幼ななじみが恋人に変わったのは
中学生になったばかりの夏だった。


野球部に入って
部活と勉強に明け暮れてる時


樹理が話しがあると
俺を呼び出した。


言われた場所に行くと
樹理が友達三人と待っていた。



「何?」



「あのね 篠田さんが
翔登に話しがあるんだって…」

いきなり樹理から
隣にいる篠田さんに
話しが変わった。



「あの…付き合ってください。」



「え・・・」
俺は内心うれしかったけど
付き合うのは無理だと思っていた。


「ごめん うれしいけど
今は部活が忙しくて
慣れるまでは無理だよ」



そう答えた。