「わざわざ…来てくれたんだ…」



「会いたかったの…」


ボロボロな翔くんをみたら
可哀そうになって
涙が出た……。


「俺を…信じてくれるの?」


まるで子供のように
翔くんが悲しい顔で言った。



そんな翔くんを見たら
今までの想像や絶望感が
一気に吹っ飛んで


私が守ってあげなきゃ


そう心が叫んで
私は不安げに立っている
子供を抱きしめるように
翔くんを抱きこんだ。



「未来?」


「未来が守ってあげるよ…
翔くん……」


翔くんは体の力を
失くして私に全体重を預けたから
よろけて壁と翔くんの間に
挟まれた。


「未来・・・・
ごめん・・・ごめん・・・
嘘ついて・・・・
会いに行ったんだ……」


心臓がキューッて固くなる。


「うん…そのために来たの。
翔くんの口からちゃんと
聞きたくて……」


ボサボサの頭を
いつも翔くんがやってくれるように
優しく撫ぜた……。


いつも翔くんは
こんな気持ちで私の髪を
撫ぜてるのかな……


 守ってあげたいって……