キャンプから戻ってきて


木々の色が濃くなって
初夏を感じだした。


私と翔くんは変わらずに
夜の電話やメールを
楽しんでいた。


翔くんと一緒にいる時は
翔くんだけで頭が一杯になって


だけど…
家に戻ってはぁくんをを見かけると
胸が痛くなる。



「未来 ちょっといいか?」


宏也に呼ばれたのは
そんなある日のことだった。



「幼なじみにさ言ってくんない?
瑠琉とちゃんと話すように……」




「え?なんで私が?」



「そう言われれば俺もだけどさ…
瑠琉がすっかり元気なくして
ハッキリしてやった方がいいと
思うんだ。」



「ハッキリ?って
うまくいってないの?」


私は普通のカップルの喧嘩かと
半分思ってたから
まだ修復してないのに驚いた。



「幼なじみが相手にしてくれないって
話したくても完全拒否らしくてさ。
わからんくもないけどね
彼が怒る気持ちはさ~」


宏也が私の横の
壁にもたれかかった。


「何があったの?」


聞きたくて仕方がなかった。