朝 目が覚めると
翔くんがいなかった。


私は寝袋から出て
バンガローのドアを少し開けた。


「どうしたんだよ……
酔ってんのか?………
夢をつかみに来たんだろ?
辛い事あったって乗り越えないと
俺はそれしか言えないし……
会いには行けない。」


電話を切って
大きなため息をついた。


私は不安でドキドキしてきた。


翔くんがこっちに向かって
きたから
慌てて寝袋に戻って
寝た振りをした。



翔くんは私の横に
寝転がった。




私は今 起きたように
目を開けた。


「おはよう」
わざとに寝ぼけた演技をした。


「おはよ~
寝坊だぞ~
メシできてるよ~」



「え~早起きだね。」



「時間は大事にしないとな~」


翔くんが起き上がろうとしたから
私は不安で手を引いた。


「ん?」


私は目を閉じた。


翔くんの優しいキス……

だけどなんだか
不安な気持ちでいっぱいになった。