温泉に入って
手をつないで高台の
道で花火を見た。



「きれい……」
私はいろんな色に
変わる空に見とれていた。



「ん?」視線を感じると
翔くんが私を見ていた。


「何?」



「俺は未来の方がキレイだから…」



「や~恥ずかしいから・・・
今絶対 口開けてたもん~」


嬉しくて恥ずかしくて
翔くんを叩いた。



「俺…今夜は忍耐の夜だから…」


 いいのに奪ってくれたって


「翔くんだったら……」



「ダメダメ…それじゃ今日出してくれた
ご両親の信頼を裏切ることになる。
そういうしばりがないとさ
もう突き進んじゃいそうで
理性を必死に保ってるんだ。」


 翔くんもはぁくんと同じ……


強引に奪ってくれれば
きっともっと強く
結ばれるのに……


男の人の方が
ロマンティストなのかもしれない…


その夜は寝袋にガードされて
早起きした疲れで
予想外に二人とも早く眠ってしまった。


翔くんも忍耐で苦しむことなく
二人寄り添って朝を迎えた。