瑠琉はがっくりと肩を落とした。


バスに乗っていった
はぁくんを見送って
顔を手で覆った。


 なんかあったのかな…


「あの人知ってるんですか?」

後輩が聞いてきた。


「うん…あの子って足悪かったよね?」


「そうですよ。
でもね…なんかちょっと嘘くさいって
みんな噂してるんですよ。」



「嘘?」



「あの足をひきずるのが
彼氏の前だけ大げさっぽいって~」



「なんか・・・今は
完全に走ってたよね?」

もう一人の後輩もつぶやいた。


「彼氏もなんか怒ってたよね~
肇~肇~って
休み時間にも来るんだよね。
肇くんよく耐えてるよ
あんなに束縛されたら
頭おかしくなるから~。」


二人は瑠琉の悪口で
盛り上がっていた。



  はぁくんも大変なのね



それにしても18年間付き合って
あんな怖い顔をした
はぁくんは


私に近づく男子を蹴り飛ばして
『未来にくっつくな!!』と
威嚇していた小さい頃を思い出した。