「あれ 俺のマンション」


翔くんが指をさした。


小高い丘の上に
素敵なマンションが見えた。


「すご~~高そうだ~」


私が窓に張り付くと


「はい~借金抱えてます~」
と笑った。


「夜景のきれいなとこに
住みたかったんだ~
交通機関はちょっとバスに乗るけど
それでも便利だよ。」



「何階?」




「フフフ・・・・
一番~上から数えて
10階下~」



「ん?何階建て?」



「15階~」



「じゃ5階?」




「ピンポ~ン」




「なんだ~一番上かと思った。」




「子供を育てる環境じゃないってさ
我慢したんだよね。
俺のマンションはもう
一生住めるからさ~」



15階に住む子供を想像した。