ダンスもでき上ってきた頃


「未来 二組がね
新体操してる子がいて
アクロバッティクなものを
とりいれるみたいなの」



「そうなんだ~」



「うち男子に何人か
バック転できるのがいるんだけど~」


真美の目が輝いている。



「え~やだやだ~~
しばらくやってないもん~~」


真美は私にやらせる気だ。


運動神経がいい私の
自慢はそれができることだった。


はぁくんが体操教室で
習得したのを見せられて
どうしても私もやりたくて
小学校の頃
マット運動の時
ちょっと数分真剣になったら
できるようになって


一年生の最初の
マット運動で私はそれを
女子に披露したんだった。


そんときは
おバカな未来で

サル呼ばわりだったけど……


「バック転の時だけでいいの~」



「え~~」



「田岡先生に頼んであるんだ。
うちの男子と一緒に練習に行ってきて~」


真美にすがられては
断ることもできなかった。