階段を降りて行くと

ママとパパの声がした。



「肇が帰ってくる日が
決まったみたいよ。
ずっと連絡してこなくてママも
ヤキモキしてたけど
男の子ってけっこうシビアね~」


私は階段に座って
聞き耳を立てた。



「男ってそ~いうもんだろ~
でも肇もやっぱ
親元から離れてずいぶん
たくましくなったな。
帰ってくるのが楽しみだ。」



「お盆前の10日に戻るって
それも急な話でママが怒ってたわ。
こっちの都合も聞かないでって…
二人とも迎えに行けないって言ったら
一人で戻るからいいって
そっけないんだって~
肇ベッタリだったから…
なんだか寂しそうだったわ。」



「男は親離れしないといけないからな。」


「未来がそんななっちゃったら
私は悲しいな。」


「俺も悲しい~~」



はぁくんが帰ってくる…


あと少し


私は不安だった気持ちも吹っ飛んだ。


だけど
どうして?
そんなうれしい報告も
メールしてくれないの?

心の隅に残る疑問……


もしかしたら驚かせようとしてる?

きっとそうだね~
そう思うことにしよう~