「ありがとうございました~」


家の前に近づいて
私は先生にそう言った。


「宿題忘れるなよ。」



「は~い~」

私は面倒くさそうに返事した。



「コラ~学生の仕事はなんだ?」



「勉学です~」



「だよな~しっかりやれよ。」




「はい はい」



スライド式のドアがゆっくり開いた。



「おやすみ~いい夢見れよ~」


先生が手を上げた。


「先生もね~」



消えて行く車を見送った。


雨はすっかりあがっていた。