「中野 前の席に来なさい。
誰もいないのに
なんか不自然だろ~」



私は一つ前の座席に座った。



ミラーにうつる先生が
よく見えた。



「遅くなってしまったな。
宿題忘れるなよ。」



「あ!!そうだった~」



先生は笑った。



話す話題を考えてしまった。

先生は運転してるから
そんな余裕もないだろうし

そう思うと
この静かな空気に混乱している。


 なんか話さなきゃ……



そう思えばなかなか浮かばない


ミラーにうつる先生を
盗み見してドキドキする。



この感覚は初めての経験だった。


はぁくんとは違う
このドキドキ感……



私はその胸の高鳴りに
戸惑いを覚えていた。