高校の入学式


「待ってよ~」

いつものように
コンパスの長い はぁくんの歩幅を
小走りで追う私
はぁくんは
学年一位で合格したんだって


私は補欠合格をして


神様の存在を信じた。
何度もありがとうと……


はぁくん
新入生代表の挨拶を
学校から頼まれたんだ。



「同じクラスだったらいいな~
一回もなったことないもん」

私が言うと


「やだよ~俺は絶対イヤだ。」



思いがけない冷たい言葉に
私の足が止まった。



「どうしてよ?」



だって外に出たら
他人より他人の関係…



「視界にいつも入ったら
抱きしめて
チューしたくなるの
毎日我慢するなんて
ストレスたまるじゃん~」


はぁくんが
甘い台詞で私の耳元で
ささやいた。