その時、

紗結が微かに呟いた。


敦史は紗結の声に反応した。


次の瞬間。

紗結はいきなり大声をあげてわめき始めた。


「なんでいつも忘れた頃に言うの……優だって宇田先輩だって………
今更遅いよ!!」


紗結はそう言うと走り出した。


「わりぃ!! またあとで!!」


敦史は孝人に向かって叫ぶと紗結を追いかけた。