優だった。 優は紗結に気付いていない様子で携帯をつついている。 紗結は優を見つめたまま動かない。 敦史はそっと紗結の手を握った。 紗結も握り返す。 そして敦史を見つめると言った。 「アツ。あたし……行ってくる」 紗結はそう言うと敦史の手をもう一度強く握りしめ、 優の元へと走った。 敦史はそんな紗結を見つめた。 心の中で“頑張れ”と囁いて。