「あたしっ、早く優のこと忘れる、忘れるからっ………
その時はまた隣にいさせてっ…?」


紗結は泣きながら一生懸命敦史に伝える。

敦史は今までで1番強く紗結を抱きしめ言った。


「当たり前だろ……焦らなくていいから…ゆっくりでいいから、その時は俺の隣に戻ってこい」

「うんっ……」


敦史と紗結は、きつく抱き合った。

別れを惜しむかのように。


二人の未来は、きっとあると信じて。


「ありがとう」


紗結はそっと呟いた。