紗結はゆっくりと口を開く。


「アツのことは好き、大好き。
だけど、今のあたしはアツの隣にはいられない」

「……うん」


敦史はギュッと目を閉じた。


「だから………別れて」


敦史は泣きそうになるのを必死に耐えて頷いた。


紗結は声をあげて泣いた。

敦史はそんな紗結を抱きしめることしか……できなかった。