「でもね……アツを好きになってから優のこと全く思い出さなくなったの。 アツのおかげで忘れられた。そう思ったのに……」 紗結の目からは再び涙が零れた。 紗結は必死に涙を拭った。 「実際会ったら……やっぱりダメだった。最悪な人でも……一度は愛した人だもん。 忘れるなんて…できない」 敦史は紗結を抱きしめ頭を優しく撫でた。 紗結はずっと泣いていた。 敦史は強く強く紗結を抱きしめた。 紗結を離したくなんてない。 だけど……… 今の紗結の隣にいることは許されないだろう。