「待てよ」 紗結は立ち止まった。 奈津穂が心配そうな顔で二人を見つめる。 「なんで避けんの?」 敦史が低い声で問いかける。 紗結は振り返ろうとはしない。 「なぁ。聞いてんだよ。なんで避けんの?」 敦史は更に問いかける。 紗結はゆっくりと振り返ると口を開いた。 「別に……避けてないよ?」 紗結の言葉に敦史はキレた。