「早かったわね」 母親はそう言うと二人に駆け寄った。 そして紗結を見る。 出かける前と様子の違う紗結に、母親は心配になった。 「紗結ちゃん?」 母親は紗結に声をかける。 紗結はゆっくりと顔をあげた。 そして笑って口を開くが、 その顔は無理してるのが分かる。 「おばさん、ただいま」 敦史はそんな紗結を見ると心を痛めた。 敦史は見るに耐えなくなって紗結の手を引くと階段を上った。 そんな二人を母親は心配そうに見つめる。