紗結は敦史と初めて会った日のことを思い出した。


痴漢に遭った日。

助けてくれた孝人は、

一緒に学校へ行こうと言ってくれた。


あんな目に遭って、人混みの中を一人で歩きたくなかった紗結は、

孝人の言葉に甘えることにした。


駅長室を出て、孝人の後ろを歩いていく。

駅の入り口に4人の人影が見えた。

4人は孝人に気付くと大きく手を振った。


孝人は手をあげて返すと、紗結を気にかけながら4人の元へと行く。