朝、目を覚ますと廉がコーヒーを淹れていた

「おはよう」

コーヒーを持って私の横に座る

「おはよう 早いね」

廉の淹れてくれたコーヒーを受け取って二人で寄り添って飲んだ

「羽実、今日はデートしよう。どこか行きたい所ある?」

「廉とならどこでもいい」

「じゃあ、決めた」

「どこ?」

「行ってからのお楽しみ」

私達は軽く朝食を済ませて二人で家を出た

「なんか恋人みたいだね」

「俺は恋人だと思ってるけど?」

廉は私の手を握ってまたいじわるな顔をした

廉が小さな街のショーウィンドーを見ながら私の服を選んでくれていた

「デートだからな、羽実を特別可愛くさせないと」

「なんないから」

「なるよ。羽実は綺麗だよ」

「…誉めても何も出ないから」

他愛もない話で二人で笑って、廉は白いワンピースを手に取って私に渡した

「白は合わないよ…」

「いいから!着てみてよ」

強引に試着室に入れられてワンピースに袖を通した

「やっぱり似合わないよ」

「可愛い…すみません、この服着て行きます!」

「廉!」

店員は着てきた私の服を包んで私は真っ白いワンピースで廉の前に立った

「もう!廉、強引だよ」

「凄く似合ってる!羽実は嫌なの?」

「そう言うわけじゃ…」

廉が笑ってキスをくれた

「廉!!」

「次は、水族館だ」

水族館で私達はどこにでもいる様なカップルで
時間だけが私達を置いてゆくように過ぎて行った

「廉!あの雑貨見たい」
「いいよ」

水族館の中にある小さな雑貨屋に入って小さな蒼い宝石の入ったペアリングを見つけた

「キレイ…」

「買う?」

「いいの?」

「もちろん」

指輪を買って私達はショーが終わった誰もいないイルカの水槽前で指輪を交換した

「結婚したみたいだね」

廉は私の頭を撫でて肩を抱いてくれた

「でも…仕事中は指輪外さないといけないな…」

廉は指輪を回しながら難しい顔をしている

「廉!指輪貸して!チェーン探してくる!」

「チェーン?」

「ネックレスにしたらずっと着けれるでしょ?」
「そうだな、一緒にいくよ」

「いいの!待ってて!私が選んで買いたいの!」

廉に指輪を借りて私からのプレゼント

廉への最後のプレゼント