彼に初めて会ったのは真冬の寒い堤防だった。

私が高校2年の冬休みの時だった。

「君!何しているんだ!」

大きな声で腕を引っ張られた

「キャッ!!」

ドスン!

寒い海風の中

ずっと一人だった私に初めての暖かい感触に触れた

「イテテ…」

顔を上げると若い警官だった

「大丈夫…?」

「あ、あぁ…」

頭をさすりながら警官は私を見ていた

「何してたの?」

「…」

「死ぬつもりだった?」

確信を突かれた

「…」

「図星かよ…」

「死んで、なんか解決するのか?」

「解決…?生きていたらするの?」

「事にもよるだろ」

「出来ないわ」

「どうして?」

「…」

「…とにかくほっとく訳にはいかない。仕事だからな。とりあえず家まで送るよ」

「嫌!イヤ!あんな場所に帰るくらいならこのまま死なせて!お願い!」

私は彼にしがみついて懇願した

「…お前、泊まりとか大丈夫か?親にとりあえず連絡して友達の家に泊まるとか、なんとか出来るか?」

私は静かに顔を立てに振った