文献:彼岸花についてのレポート

「その話はもうよい。聞き飽きた。」
「そんな……。」
「でも僕は…。」
「よいと言っておろう。」
「………。」
そのままアルベルトはうつむいて、トボトボと帰って行った。
俺がそれを眺めていると、木陰から俺(リコリス)が現れた。


<<リコリス視点>>
「よう、アルベルトじゃねぇか。またふられたのか?お前も努力家なんだなぁ…。」
だいたいあっているかの?疑問じゃが…まぁええじゃろ。
「うるさい」
「む…すまねぇ。悪く取らないでくれ。」
…と言うとアルベルトが泣きながらも口を開け、何事かを呟いた。
「…前が…るから……いんだ」
アルベルトが顔を上げた。目は涙に濡れているが怒りに満ちた表情をしている。
「お前が居るからいけないんだ!!!」