軽く、会釈をして
あのドアへ恥ずかしさを
隠すために、ドアノブに
手をかけた瞬間である。


「あなた、殺されるよ」

「へ。」

「いま、そのドアあけたら、間違いなく殺されますよ」

「へ。」

「間違いなく。殺す」

初対面の女子生徒達からの
聞き慣れないコトパの
アドバイス。

「え、殺される?」

「もうしばらくしたら、朝倉さんも出てきますから」

「殺されたいの、あんた?」

「誰もとめない」

「え、朝倉、、」

朝倉は、殺し屋なのだろうか。
はたまた、山小屋のヤマンバで
あの部屋の奥で、包丁でも磨いでいるのか?

「いや、命が惜しいのでやめときます」

ここまで、言われて
あけてしまうのは
押すなよ、押すなよの
お約束ではないか。