いや、きっと何かの間違いだ。
担任に言って、間違いを正さなければ。
俺には、
帰宅部という部に所属するのだ。
そう、自分に言い聞かせ
新校舎の職員室に
向かおうとしたところ。

プレハブ校舎の
誰も使う予定のない最上階からの
突然の声がする。

「ソージ。沢田ソージ。あんた何やってんの、早く来なさいよ。部活は始まってるのよ！！」

なにやら，
この声に反応してはいけないと
第六感が感じていたが、瞬間的に

「だれが、ソージだ。おれは、「そうし」だ！」

見上げた瞬間、
自分の目を疑った。
そこにいたのは、
朝倉だった••••••••


「総司。おまえ。。」

「片岡。おれ。。」

本日、初恋心を感じて
ドキドキしていた、いや。
忌々しい1日を過ごさせた張本人。

朝倉がなぜか、
俺を呼んでいる。
しかも間違った名前である。

「総司、詳しい事は明日聞くは。俺はばあちゃんにお使い頼まれて、、じゃ！」

あっという間に、
片岡がいなくなった。

「どーでもいいから、はやく来なさいよ、ソージ。部長を待たせるとは何様なの。」

静かな放課後である。
朝倉の声は、
この中庭に清々しいほど反響する。

「ソージ••••」

校内中に、
誤った名前を連呼されている。
カフェの女生徒達も、
こちらをみている。。
まずい、このままでは
不本意な形で全校生徒の
有名人になってしまう。

とりあえず、
あいつを止めなければ。