お利口さんな優等生さん。授業も教えなくても成績は良い上、一年先をも予習している。

勉強ばかりでなく、部活も頑張り友達も居る。


素直で真面目、ごくたまに茶々をいれて笑う――優等生さんな小三の担任が俺。

倍率の厳しい有名な私立だからだろうか?



「…本当に九歳か?」


ボソリと呟いた。

他校は、やれトラブルメーカーのモンスターペアレンツやら、生意気なゆとり生徒やら、

平成な世の中らしく非常識な“オコサマ”相手に、一日中大変らしい。


一方で俺のクラスは正反対にごくごく平凡。

気味が悪いくらいクラスメート全員が仲が良く、団結しているように思う。

(というのは建前で、恐らく内申書に響くからで、――裏の顔は知らない)