もう遅かった



隣にいる岬ちゃんは、顔を青ざめて


体中が、震えていた。




そりゃ、岬ちゃんはあんな情景に慣れてないし


それに、自分のお兄ちゃんが傷だらけで倒れてるなんて



きっと、凄い衝撃だろう




だけど、岬ちゃんは唇を噛み締めながら


体の震えを止めていた。




彼女は強い


きっと、海の事を信じてるんだ



だから、私も立ち止まってる場合じゃない



「助けに行かないと。」