確かに、葵の能力で海の秘密を視た時


何もかも全て、愁は情報を手に入れていた




「その様子じゃ、学園を抜け出して来た訳でも無さそうだし…何かあったのか?」


「…。」



私は言葉が詰まった。


OBといっても、今の状況を話していいのかな?


でも…能力が使えない今、この人しか頼れる人しか居ない




ふと目に入った、白衣につけられた名札

そこには、山下悠太と書かれた文字と、真面目そうに映っている写真



この人の今の幸せを壊したくない


だけど、何でだろう?


この人なら、どうにかしてくれる気がしたんだ


「実はーー」