期待が籠もった眼差しに、私は只首を振るしかなかった。


「ごめん、海達は居ないんだ。」

岬ちゃんは少しガッカリしたように肩を落とした。



分かってる


あの日…私達が学園を入学した日


海は私を助ける為に、教室で戦った


そのせいで、海は家族と何も話せないまま、学園に強制的に入学させられた





いきなり大好きなお兄さんが居なくなって



岬ちゃんはどれほど辛い思いをしたんだろう?