「貴方は、こんな風に残っていたんですね…。」 一瞬、楠木が悲しそうな顔をする。 「?」 楠木…? 「やはり、此方もグズグズしてはいられませんか。 この器も、そろそろ限界に近付いてきましたし。」 楠木の言葉に、俺は少し違和感を覚えた。 「器…?」 コイツ今、そう言ったよな? 「ハイ。この、『楠木由比奈』の身体の事ですよ。」