クス、楠木の笑う声が聞こえた。


「『やっぱり』?やっぱりバレてましたか…。
正解ですよ、海先輩。


私が、ジョーカーです。」


コイツがジョーカー


“眠りの森”の創設者であり


俺達の、本当の敵ーー



俺は視線だけ後ろに向けながら、楠木の様子を伺う。


…向けられているのは拳銃

一歩間違えたらやべーけど、コイツは油断しているし


今なら能力を使えば、この状況を打破できる!



俺は楠木に気付かれないように、ゆっくり能力を放った



筈だった。


「!?」


能力が…発動しない!?


「気付きました?」