「でも……それでも!!」


苺が突然大きな声で叫んだ


「私が観察してた時の太一さんは偽りの姿なんかじゃないはずです!!」


「ま、まぁ…」


(そりゃあ太一は観察されてたことなんて知らないから、偽ってなんかないんだろうけど)


「私が太一さんを好きになったのは、あの時助けてくれたからだけではありません。純粋に普段の太一さんを見ていて惹かれていったんです」


(なかなか言うじゃない、苺…)


「返事はすぐじゃなくていいんです。太一さんが転校される前に聞かせて頂ければ…。では、失礼します」


そう言って苺は走り去って行った



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