あたしと先輩。

「…もしやのもしや…ココ…なんですかな…?」


春川恵瑠、只今大豪邸の前でだらしなく立っています。


だって、仕方なくね?


こんな大豪邸、見たことも想像したこともありませんから!


「どーしたの?めぐちゃん。入ってよ~」


「は、はい」


こ、これは現実?現実かな?


なんか昨日からずっと夢見てる気分なんですけど~!


「そんなに緊張しなくていいよ」


「先輩」


「別に、普通の家だよ」


…一体どこら辺が普通の家…


なんかちゃぶ台ひっくり返したい気分だよ、全く。


「お、おじゃましま~す…」


でもここまで来ちゃったら後戻りはできないし、いざ速水家!ってな感じで行きましょうか!!


「あ、靴脱がなくて大丈夫だからね」


靴を脱ごうとしたあたしに、すかさず注意してくれる地織さん。


もうなんかすみませんね…


ちょっと申し訳なくなってきちゃいましたよ、ぐすん。