いつの間にか、先輩はあたしの目の前にいた。


「せ、先輩」


「よかった、やっぱり春山さんだった」


安心したような顔をする先輩。


「…春川ですけど、なんかどうしたんですか?」


そんなかっこいい笑顔を見せちゃって。


「俺、目悪いんだ。だからメガネないと全然見えないんだよね」





「そ、そーなんですかぁ~…」


…なんか先輩っつ、掴めない…


「じゃ、帰ろ」


「え」


先輩はふんわり微笑むと、あたしの手をとって、歩き始めた。


…きょわ~!!


うっ、何この完璧なシチュエーション!!


あたしの妄想通りの展開ではないか~!!


しかも先輩の手…大きいし…


…これでこそ男子ー!!


あ、やばい、テンション上がるわ。


これから毎日(?)こんな気分が味わえるなんて…っ…


あたし、幸せすぎてどうにかなりそう…っ!!