「舞・・・着いた。 降りられる?」 一人暮らしを始めた舞のマンションの前。 タクシーのハザードランプが、ピカピカ光る。 その前を……。 目を閉じ、自分で歩く意思のない舞を、夜中でも白い壁が眩しいエントランスまで抱えて歩く。 「ほら。 舞。 目をあけて」