もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】

……と、同時に。



「ね?
このネクタイ、知らない?」



雨宮麻衣がパジャマのポケットから、ネクタイを取り出した。



「あたしさ。
なんか……。
“記憶喪失”らしいんだよね。
何も思い出せなくてさ。
無理には思い出さなくていいって、先生は言うけど・・・。
でも、どうしてもこのネクタイだけは、気になって。
思い出したいの。
ねぇ。
なにか……知らない?」