もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】

オレは、ハッと息を飲んだ。


睨まれ、射すくめられ……身動きすら出来ない。


でも、かろうじて開けたわずかな口の隙間から……。


オレは絞り出すような声を出した。


「嫌だ」


それは、オレの心の叫び。


いくら脅されても、射すくめられても。


「嫌だ。
オレは、雨宮麻衣に会いたい」


これだけは、譲れない。