もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】

その横で、金色の髪が揺れ……。


「おまえ……。
何しに、来た?」


二度と会いたくなかったその男は、オレの手を後ろでねじりあげ、低い声で囁くように言った。


「ここには、二度と、来るな。
俺の前にも、麻衣の前にも、姿を現すな」


抑揚のない声。


でも、振り返ったオレを見おろすその眼力だけは、異様にすごくて……。