パパとママなんて言葉は使わず、照れくさいからなのか、父ちゃん母ちゃんなんて言葉を口にして。


普段よりも乱暴な口ぶりで。


でも、心からうれしそうだった龍。


生まれてこの方、家族とは無縁な生活だったから。


血の繋がり……なんてものを、たぶん、人一倍喜んでいたに違いない。


普段は、御参りなんて、したことがないクセに。


この日は、やけに長々と……何かお願い事をしていて。