お守りを買うと言って譲らなかった、龍。


生まれてくる子は、勝手に女の子だって、決め付けて。


男の子だよ、きっと。


そんなことを言ったあたしの意見なんか、まったく無視して。


“安産祈願”


そう書かれたピンクのかわいい袋を手にとって、龍はにこっと、心の底から嬉しそうに笑った。