ふわふわした感覚に身を任せ、まるで10円玉を口に含んだかのような吐き気に襲われる。


これは、夢だ。


あたしは、今、とんでもない悪夢を見ているに違いない。


夢なら、早くさめてくれればいいのに。


そう思いつつ、いつまでも続く気分の悪い快楽に身をゆだねていると……。


「……え?」


徐々にはっきりしてきた意識に、目の前にある男の顔に、疑問の言葉が口をついた。