もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】

「ヤダヤダヤダッ!!!!!」



カナキリ声をあげる雨宮麻衣のみぞおちを殴りつけ、哲也はオレの顔を見て、うつろに笑った。



「こいつの、母親。
再婚って、知ってた?」



その問いを境に……。



不気味なほど無表情だった顔を一変させ、哲也は残忍な微笑みで瞳をギラつかせた。



「血の繋がらない、まして、アル中の養父のところに。
幼い娘残して、家出するとはねぇ」