もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】

冷たい雨粒が手の平に広がっていく。



こんな雨の中。


こんな時間に。



雨宮麻衣が外にいるという事実に、気がはやる。




「うん・・・。
ちょっとね」



雨宮麻衣の遠慮がちな声に、オレはイライラした。





「ちょっとね・・・じゃねぇだろ?
オレは、おまえの彼氏だろ?
頼れよ!
おまえ。
どこにいるんだよ。
迎えに行ってやるよ。
今日は、オレの家に泊まれ!!」



口早に叫ぶと同時に、オレは家を飛び出していた。