もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】

「光・・・」


照れたような雨宮麻衣の声を聞きながら、雑音の多さに気がつく。



「おまえさ、今どこにいるの?
すっげぇ雑音だけど。
家じゃないの?」



数十秒の沈黙の後。



「うん。
ちょっとね・・・。
プチ家出?」


ちゃかしたような声が、弱々しい。



「はぁ?
何言ってんだよ。
さっきから、雨降ってるだろ?
おまえ、どこにいるんだよ?」



オレは部屋の窓を開け、外に手を出した。