《短編》交差する恋



こんなあたしも、恋をしたことないわけじゃない。


だだ…、初めてしたあたしの恋は、最悪な結末が待っていた。



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中学校1年生の時。


「もー、そんなかっこいいかなあ?」


舞美ちゃんがあたしに言う。


あたしが好きになった、隣のクラスの山内くん。

夏休み前に野球部で見つけたのがきっかけだった。


「野球してる姿、かっこいいんだよ!」


あたしは乗り出して舞美ちゃんに訴える。


「ごめん。

あたしは分かんない。」


舞美ちゃんは小学校の時から何に対してもハッキリ言う子。

そこがあたしの好きなところ。